長野県白骨温泉 小梨の湯「笹屋」は日本秘湯を守る会、源泉湯宿を守る会会員の宿で、昔から「3日入れば3年風邪をひかない」と伝えられる乳白のにごり湯だが、3日はおろか、5分も入れば数時間は湯冷めしない抜群の効能だ。
「3日入れば3年風邪をひかない」白骨の名湯
内湯の引き戸は全開になり、白樺林の中の露天風呂のような開放感が心地好い。
その泉質は、含硫黄-カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉で、濃厚なカルシウム成分が湯舟のフチをおおっている。
こぢんまりとした露天風呂の秘湯感も満点。
建物は古民家再生のエキスパート降幡廣信氏によるもので、この宿の風情を一層引き立てている。
地産地消の山の創作料理が好評だが、中でも石臼で一日がかりで、温度を上げずにゆっくりと挽くそば粉で作る、フワフワでモチモチの「そばがき」は、穂高ワサビと奈川村産ネギとの相性が素晴しい。
ハラワタを取った岩魚に、女将さん特性の味噌をすり込み、笹の葉で巻いて3時間も蒸揚げる「岩魚の笹巻き」は、骨まで柔らかく、口の中でとろけてしまう絶品だ。
↑笹屋名物岩魚の笹巻き
小梨の湯笹屋(白骨温泉) DATA
温泉・味処 | 小梨の湯笹屋(白骨温泉) |
住所 | 〒390-1515長野県松本市安曇4182-1 |
電話 | TEL0263-93-2132/FAX0263-93-2131 |
地図 |
■『夕刊フジ』に好評連載の板倉あつし取材の「菜湯紀」を再編集したものです。