至徳元年甲子(きのえね)の1834年に探し当てたことから名付けられた、甲子温泉(かしおんせん)。
白河藩主も湯治に通ったと伝われる秘湯だ。
「大黒屋」の混浴の大岩風呂は、150年の歴史をもち、縦5m、横15m、深さ1.2mにもおよぶ特大サイズ。
鳥居の湯口から流れ出す44度位の湯と、岩盤の足元からじんわりと自噴する31度位の湯が混ざり合うので、心地好いぬる湯となる。
源泉かけ流しで、無色澄明の湯は、刺激の少ない、弱アルカリの単純温泉だから存分に長湯が楽しめる。
白河市内にラーメン店は、70余店と驚きの密度だが、ここ数年、通い詰めている名店が「手打中華すずき」だ。こだわりの太い手打ち麺に、チャーシューは那須郡司豚をボイルした後に炭火で仕上げて特製醤油で煮込む。
その煮汁を元に宮崎地鶏の鶏ガラでじっくり仕上げた琥珀色のスープを注ぎ込むと、昔ながらの正統派中華そば、「手打ち中華」が完成する。
毎日閉店後の清掃に2時間以上掛けているという店の美しさ、この真摯な姿勢こそが素晴しい味の秘訣なのだろう。
大黒屋(甲子温泉)/手打中華すずき DATA
温泉 | 大黒屋(甲子温泉) |
住所 | 〒961-8071福島県西白河郡西郷村真船寺平1 |
電話 | TEL0248-36-2301/FAX0248-36-2304 |
味処 | 手打中華すずき |
住所 | 〒961-0822福島県白河市瀬戸原4-9 |
電話 | TEL0248-22-3392 |
地図 |
■『夕刊フジ』に好評連載の板倉あつし取材の「菜湯紀」を再編集したものです。