静岡県袋井市の日帰り温泉施設、遠州「和の湯・なごみのゆ」の源泉は、小笠山天然温泉と北山温泉の混合泉で、泉質は弱アルカリ性のナトリウム‐塩化物泉。塩分の働きで湯ざめしにくく、湯上りは何時までもポカポカと温かい。
庭園露天風呂につかったら、「たまごふわふわ」を味わいたい
駒ケ岳の麓から運び込んだ天然御影石をふんだんに使った庭園露天風呂が自慢だ。塩分を含んだ源泉を利用して養殖した「温泉トラフグ」で売り出し中の施設としても評判を呼んでいる。
この施設のもう一つの自慢は、約200年前、大阪の豪商、升屋兵衛右門が袋井に宿泊した折の朝食の膳に供せられたと文献に記されている「たまごふわふわ」だ。
土鍋で熱した出汁に、よく泡立てた卵を一気に流し入れ、蓋をして蒸らす。飾り付けに青ネギの刻みを載せてアツアツを泡ごと食す。
「東海道中膝栗毛」にも将軍家のもてなし料理として紹介された歴史と伝統の料理は、摩訶不思議なB級グルメだ。
↑摩訶不思議なご当地料理「たまごふわふわ」
遠州和の湯 DATA
温泉・味処 | 和の湯 |
住所 | 〒静岡県袋井市諸井2022-3 |
電話 | TEL0538-23-1500 |
地図 |
■『夕刊フジ』に好評連載の板倉あつし取材の「菜湯紀」を再編集したものです。